2013年7月11日木曜日

醍醐寺の風


「梅雨明けてすぐ猛暑」で、今週は生活がすっかり夏仕様に変わりますね。

先週は関西に出張でした。神戸と京都のお客様のところへ、調律にお伺いしました。
元は関東にお住まいだったお客様方ですが、引っ越されても調律に来てほしい、と言ってくださいますので、私も喜んで毎年お伺いしております!いろいろな事態に備えて、工具・部品そのほかを車に詰め込み、6時間かけて向かいます。
何よりもピアノが大切にされ、幸せにしているのを確認することほど、うれしいことはありません。今回も無事に、調律など必要な作業を終えることができました。

出張最終日の帰りに、一つ自分へのご褒美。京都、醍醐寺へ足を運びました。
京都といえばどこへ行っても、世界中からの観光客&修学旅行生で賑わっている印象ですが、この日たまたまなのでしょうか、醍醐寺は、年配の観光客と時折すれ違う程度の、落ち着いた雰囲気でした。
豊臣秀吉が設計したという三宝院庭園。リーフレットにある「桃山時代の華やかな雰囲気」、なるほど。庭の構成物の一つ一つが実に陽気で、なんだかまるで今にも動き出しそうな感じもします!
中でも池の中の‘亀島’の上に立つ姫小松、樹齢600年以上とは!幹の太さもさることながら、その葉の鮮やかで美しい緑に、遠くからすっかり見とれてしまいました。
庭の右奥に、勅使門‘唐門’が見えます。黒々とした漆塗に目いっぱい大きな金箔の紋。監視員の方に、台風など嵐の時は大変でしょうね、と話しかけると、風の強いときは唐門を開けて風を通したりするようですよ、と応じてくださいました。

でも今日は本当に優しく、柔らかな風が、庭から私の方へと吹いてきます。心はすっかり満足です。

五重塔の前にて。


弁天堂へと架かる橋。

「ようこそお参りでした。」の声に送られて、京都を後にしました。